FOMC通過後に落ち着き取り戻す可能性=今週の外為市場

[東京 17日 ロイター] - 今週の外為市場では、18─19日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)が最大の焦点となる。それまでは緩和継続への期待感とポジション調整のせめぎ合いになる可能性が高く、引き続き不安定な動きになりそうだ。FOMCを無難に通過できれば、相場は落ち着きを取り戻す可能性が高い。

予想レンジはドル/円が93.50─97.50円、ユーロ/ドルが1.3150─1.3450ドル。

前週のドル/円相場は大荒れとなった。決算を前にしたファンドの売りが止まらず、ドル/円は一時93.75円まで下落。日銀が「量的・質的金融緩和」に踏み切った4月4日以降の上昇分をすべて吐き出した。

売られたのは日銀への失望感というより、米連邦準備理事会(FRB)のスタンスに不透明感が出てきた影響が大きい。量的緩和(QE)縮小観測により、ドル相場のボラティリティが高まった結果、円キャリー取引が巻き戻された。「何が起こるかわからないから、とりあえず売っておこうという動きが入った」(国内証券)という。

BNYメロンの世界市場ストラテジスト、マイケル・ウールフォーク氏は、円をショートにし日本以外の高利回り資産などをロングにするポジションは、日米の株価下落や円の上昇で大きな打撃を受けたと指摘。「米国の金融政策が一段と明確になるまでキャリートレードは休止だ」と述べた。

今週も前半はポジション調整の動きが入りやすそうだ。市場では「このところボラティリティが高いので、取引を手控える動きも目立つ。このままスルスルと上がっていくとは考えにくく、FOMCまでは不安定な値動きになる可能性が高い」(国内金融機関)と警戒する声が出ていた。
「FOMCまでは期待感と、ハシゴを外されたら怖いという、ポジションを持っている人たちのせめぎ合いになるだろう」(大手邦銀)という。

焦点のFOMCでは、バーナンキ議長がQE縮小観測の火消しに走るとみられている。三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフ為替ストラテジスト、植野大作氏は「QE縮小をめぐる思惑でこれだけボラティリティが上がっていることを踏まえると、マーケットが心配しているようなタイミングでQEの早期縮小観測を助長するような発表にはならないだろう」と予想。その上で「FOMCを無難に通過して、ヘッジファンドの決算と言われている6月が過ぎ、新しい期が意識されてくれば、相場は落ち着きを取り戻すのではないか」との見方を示した。

ドル/円相場の行方を見極める上でカギを握る株式市場は、日経平均は「もはや1人で上がる力はないので、米株に引っ張ってもらうしかない」(大手邦銀)状況にあるものの、QE縮小観測が後退すれば米株は上昇する可能性が高く、日経平均株価とドル/円をサポートしそうだ。

みずほ証券チーフFXストラテジスト、鈴木健吾氏は「混乱が始まってからそろそろ1カ月経ち、各市場とも売買をかなりこなしてきている。イベントを通過すれば徐々に落ち着いてきて、ドル/円、株式市場ともにもみあい相場に移行し、その後は緩やかに上昇していくのではないか」との見方を示した。

IG証券マーケットアナリストの石川順一氏は、足元の相場変動はポジション調整の結果と受け止めており、日米金融政策のスタンスの違いはいずれドル/円相場をサポートするとみている。「米経済は堅調であり、9月のFOMCに向けて、QE3縮小観測が高まるだろう。参院選自民党が勝利すれば円安要因になる」と指摘、今後3カ月のドル/円レンジは93─105円と予想している。