ドル/円は上値重い、週末の米雇用統計に向けてポジション調整=今週の外為市場

[東京 3日 ロイター] -   今週の外為市場で、ドル/円は上値の重い展開になりそうだ。週末の5月米雇用統計に向けて、徐々にポジション調整の動きが入りそうで、弱い米経済指標が相次げば、一時100円を割り込む可能性もある。ただ、下値での買い意欲は根強く、深押しはないとの見方が多い。

  予想レンジはドル/円が99.50─103.00円、ユーロ/ドルが1.2850─1.3150ドル。

  前週の外為市場では、ドルは軟調に推移した。市場参加者の視線が米金融政策に集まる中で、弱い経済指標が相次いだことから早期の緩和縮小観測が後退、ドル高の動きに修正が入った。主要6通貨に対するドルの価値を示すドル指数<.DXY>は一時5月10日以来の安値をつけた。

  海外勢が株買い・円売りポジションを一部解消したことで、ドル/円も徐々に値を切り下げる展開となった。「相場に大きな影響を及ぼしているグローバルマクロ系ファンドが相当ポジションを落とした」(大手邦銀)という。
  ドル/円は株価との連動を強めており、株価動向次第では「100円割れのリスクもある」(国内金融機関)と警戒する声も出ている。日経平均は下げの大きさの割に反発力は鈍い。

  最大の焦点となる米経済指標は、3日に5月米ISM製造業景気指数[USPMI=ECI]、5日に5月全米雇用報告(ADP)[USADP=ECI]、5月米ISM非製造業景気指数[USNPMI=ECI]、7日に5月米雇用統計(労働省)[USNFAR=ECI]などの発表が予定されている。
  5月雇用統計の非農業部門雇用者数は前月と同じ16万5000人増が予想されているが、5月連銀指数の雇用項目が悪化していることから、「あまり強気にはなれない」(大手邦銀)との声が多い。

  相場サイクル的にも下値リスクがくすぶる。ドル/円は2月以降、新値を更新すると3─4円調整が入るというパターンが続いており、5月高値103.74円から「100円割れの調整があってもおかしくない」(大手信託銀)との見方が出ている。100円前半には一目均衡表の基準線もあり、この辺りを明確に下抜けてくると、100円割れが視野に入りそうだ。

  もっとも、その場合でも、中長期的な上昇期待を崩すほどではなく、「割り込んでも短期間。片足を突っ込んでおしまいになるのではないか」(大手邦銀)といった見方が多い。「90円台が安く感じられるようになってきたなか、輸入企業は100円は買っておこうという姿勢になっており、100円近辺にはかなり買いが入っている」(大手邦銀)といい、こうしたフローが相場を下支えする公算が大きい。個人投資家押し目買い意欲が旺盛だ。

  みずほ証券チーフFXストラテジスト、鈴木健吾氏は「米国の回復と中国の懸念で、新興・資源国通貨は全般的に安く、米国への資金回帰もみられる」と指摘。米緩和出口観測も根強いことから、「ドルはどんどん落ちていく感じではなく、調整的な売りだろう」との見方を示した。米10年債利回りは依然として2%を上回って推移しており、ドル/円の下落に一定の歯止めをかける可能性が高い。